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Module 04 · Retopology 🐾 青猫と特訓

リトポロジーと最適化

重くて雑然としたハイモデルを、クリーンで軽量、変形にも耐える一枚のローモデルへ変換する。全工程でもっとも経験がものを言う段階だ——エッジループを一本置き間違えると、以降ずっと伸びやつぶれが連鎖する。2026 のやり方:AI に先に走らせ、手で仕上げる。

所要時間2〜5 時間
難易度🐾 青猫と特訓
ツールBlender · Tripo/Meshy · QuadRemesher
成果物ハイモデルに沿ったクリーンなローモデル
/ 01 · この工程で何をするか

ハイモデルは魅せるため、ゲームに入るのはローモデル

モジュール 03 を受けて:数十万ポリゴンでトポロジーがぐちゃぐちゃなスカルプトのハイモデルは、そのままでは使えない——クリーンなローモデルへ「翻訳」する必要がある。

ハイモデルの問題点:ポリゴン数の爆発(エンジンが動かない)、トポロジーの混乱(変形も UV もできない)。リトポロジーとは、ハイモデルの表面に「新しくクリーンな網を張り直す」作業で、軽量・四角面主体・曲げ動かせるローモデルを得る。

🎯 このローモデルこそ最終的にゲームへ入るモデルだ。スカルプトと違い、ここでの流れはキャラと一緒にエンジンまで付いていく。だから真剣にやるしかない。以降の UV(05)、ベイク(06)、テクスチャ(07)、リグ(08) はすべてこの上に築かれる。

/ 02 · 良いトポロジーとは

良いトポロジーの 5 原則

この節の核心。この 5 条を理解できなければ、AI が吐いたトポロジーの良し悪しも判断できない。

四角面主体(Quad)

アニメーションさせるなら四角面が必須。四角面は三角面よりはるかにきれいに変形する。三角面や N 角面(5 角以上)は極力避け、変形しない死角に留める。

ループは変形に沿わせる

関節には周回するエッジループを:肘・膝・肩・股・手首・首。顔にはアイループ+マウスループを。ループが正しければ、曲げても自然でつぶれない。

密度はメリハリをつける

変形が大きく細部が多い所(顔・手・関節)は密に、平坦な所(太もも・胸背)は疎に。全身を同じ密度にしない。

極点は正しい位置へ

3 本や 5 本のエッジが集まる「極点」はどうしても出るが、変形域(関節・顔の中央)には置かない。目立たない平坦な所へ逃がす。

エッジフローを滑らかに、ぶつけない

線は筋肉と構造に沿わせ、滑らかに遷移させ、急にねじらない。乱れた流れは伸び・つぶれ・シェーディングの粗を招く。

/ 03 · 2026 のリアルなやり方

AI が前半 70%、あなたが肝心の 30% を仕上げる

朗報:自動リトポロジーの AI は今や 70% のクリーンな四角面を出してくれる。かつて一番退屈だった広範囲の手作業の線つなぎが省ける。

悪い知らせ:ワンクリックで終わりではない。自動アルゴリズムが出すのは「均一な分布」で、あなたのキャラのどこが変形するかは分からない——顔・手・関節のループはよく外している。手で仕上げる必要がある。

だからこの節の勘所は、まるごと「AI がどこを間違えたかを見抜き、手で直す」ことにある。これこそが最も経験を要する段階たるゆえんだ。

/ 04 · ルート選び

四つの道、キャラの重要度で選ぶ

AI 自動リトポロジー

Tripo Retopology / Meshy Remesh / 3D AI Studio Prism。ハイモデルをアップし、四角面+目標ポリゴン数を選べば、数十秒でクリーンなローモデルが出る。

快 · 四边面 · 但关节/脸要手动收

QuadRemesher

Exoside 製の Blender 有料プラグイン(ZRemesher と同格)。ガイドラインを描いてエッジフローを制御でき、自動リトポの中で最もコントロールが効く。

付费 · 可引导 · 身体首选

Blender QuadriFlow

内蔵の Quad Flow Remesh(オブジェクトデータプロパティ内)。無料で、Preserve Sharp / Symmetry を有効化できるが、エッジフローの質は並。

免费 · 够用 · 质量中等

手動リトポロジー

Poly Build + シュリンクラップ(Shrinkwrap)、または RetopoFlow プラグイン。遅いが、顔・手など肝心な領域への制御力が最も強い。

慢 · 主角/脸部值得
/ 05 · 一工程ずつ

ハイモデルから納品できるローモデルへ

4.1
まずポリゴン数の予算を決める

予算を決めずにリトポするのは、目標なしで走るのと同じ。キャラの重要度とプラットフォームでおおよその幅(三角面換算、あくまで目安)を見積もる:

⚠️幅は目安であって法律ではない。あなたのエンジン・プラットフォーム・キャラの出番で決める。原則:「足りる」前提で軽ければ軽いほど良い。
4.2
AI / 自動リトポロジーの一巡目 初手

ハイモデルを自動ツールに放り込み、肝心なパラメータを設定する:

  • 出力 = Quad(四角面)。アニメーションさせるキャラなら必須。
  • 目標ポリゴン数は 4.1 の予算どおりに入れる。
  • 対称(Symmetry)、シャープ保持(Preserve Sharp)を有効化。
  • ハイモデルが 10 万面を超えるなら、まず一度軽く間引き(decimate)してアルゴリズムにクリーンな出発点を渡す。
  • ジオメトリを変えたらテクスチャベイクのオプションを有効に。でないとテクスチャがずれる。
4.3
エッジフローの検収 核心の判断

自動の結果を丸呑みしない。ワイヤーフレームを表示し、良いトポロジー 5 原則で一つずつ確認する:

  • 関節にループはあるか?肘・膝・肩・股——ループのない関節は、曲げるとつぶれる。
  • 顔にアイループ・マウスループはあるか?自動リトポが最もコケやすいのがここ。
  • 三角面や極点が変形域に刺さっていないか?平坦で目立たない所へ移す。
  • 密度は妥当か?密にすべき所(顔・手・関節)は密に、省ける所は省く。
4.4
肝心な領域を手で直す 腕の見せ所

検収で見つかった問題を Blender で手直しする。よく使う手法:

  • Poly Build ツール:ハイモデルの表面に手で四角面を張り/つなぎ、顔や手など肝心な領域を作り直す。
  • シュリンクラップ Shrinkwrap モディファイア:手描きしたローモデルをリアルタイムでハイモデル表面に吸着させる。
  • ループカット Ctrl R:関節に変形用のループを一周足す。
  • 溶解/マージ X→Dissolve:余分なエッジを消し、悪い極点をなくす。
  • X 対称を有効にして半分だけ直し、最後にミラー。
💡リトポロジーのオーバーレイ表示(ビューポートオーバーレイ内の Retopology オプション)+サーフェススナップを有効にすると、手描きの線がハイモデルに沿って走り、めり込みも浮きも起きない。
4.5
ハイモデルへの位置合わせ ベイクへの布石

ローモデルはハイモデル表面にぴったり沿っていなければ、モジュール 06 のベイクでハイモデルの細部を正確にローモデルへ「焼き付ける」ことができない。

  • Shrinkwrap で全体を吸着させ、そのうえで手動でローモデルがハイモデルから飛び出していないか、離れすぎた所がないかを確認する。
  • ローモデルはハイモデルの外側にほんの少しかぶさる方が、めり込むより良い(ベイク時にレイの取りこぼしが起きにくい)。
4.6
最適化と健康診断

納品前の掃除。一つも漏らさない:

  • 重複頂点をマージ:Merge by Distance で重なった頂点を掃除。
  • 非多様体をチェック:Select → All by Trait → Non Manifold、あれば直す。
  • 法線を統一:Shift N で外向きに再計算。
  • N 角面を掃除:Select → All by Trait → Faces by Sides > 4、死角へ逃がすか四角に分割。
  • 非対称のディテールを入れ終えたら、対称機能がそれをミラーで複製していないか確認する。
/ 06 · 肝心の規律

三つの鉄則

① ループは変形のためにあり、見栄えのためではない。線を引く第一目的はキャラを曲げ動かせるようにすること。関節と顔のループが最優先。

② アニメーションさせるなら四角面。手を抜いて三角を残さない。三角面は変形時にゆがみ、シェーディングを狂わせる。動かない死角にしか隠せない。

③ これは最終版メッシュ。位置合わせもクリーンさも省けない。スカルプトのように雑ではいけない——ローモデルはエンジンまで付いていき、UV・ベイク・リグのすべてがこれ頼み。少しの狂いが以降ずっと響く。

/ 07 · よくある事故

最も経験を要する段階でこそ、こういう落とし穴にハマる

AI の自動結果を丸呑み → 関節にループがなく、動かした途端つぶれる。
全身を同じ密度に → 顔と手が足りず、太ももは面の無駄遣い。
三角面を関節/顔に押し込む → 変形でゆがみ、シェーディングが汚れる。
極点が変形域に刺さる → 伸びやつぶれ、いくらウェイトを塗っても醜い。
ローモデルをハイモデルに合わせない → モジュール 06 のベイクがずれとレイ抜けだらけに。
ポリゴン予算を決めずに突っ走る → 量が爆発してエンジンに入らないか、省きすぎてシルエットが崩れる。
健康診断(重複頂点/法線/非多様体)を忘れる → UV とリグの段階でエラーが連発。
/ 08 · この節の成果物

これを全部チェックできて、ようやく合格

四角面主体・ポリゴン予算内のローモデルシルエットがハイモデルと一致
関節に変形ループ、顔にアイループ・マウスループ肘/膝/肩/股/手首 + 目鼻口
密度はメリハリ、極点は変形域を回避密にすべきは密に、省くべきは省く
ローモデルがハイモデルに位置合わせ(かぶせ)済みモジュール 06 のベイクへ準備完了
健康診断に合格し格納済み重複頂点/非多様体/法線異常なし → 04_lowpoly
/ 09 · 次へ進む前のセルフチェック

🐾 三問、全部通れば通過

  1. すべての関節にループがあり、顔にアイループ・マウスループがあるか?
  2. ローモデルはハイモデルにぴったり沿い、ポリゴン数は予算内か?
  3. 健康診断はクリーンか——重複頂点なし、非多様体なし、法線は外向き?

▸ 三つとも通過 → モジュール 05 へ:UV 展開(◐ AI + 手直し)。